4回目のワクチンを打つ予定日にコロナを発症した。その0日目から23日目までの記録。

0日目: 2022 年8月26日(金) 朝起きると体がだるい。昨日の夜楽しくテニスをしたがその疲れが出たのかな。ここ2,3日、先週からのきつかった仕事のストレス残りのせいか、眠りが浅く、夜何度も目覚める。そのせいもあるのかなと思う。 昼になってもから…

立花隆が紹介するテイヤール・ド・シャルダン(1881-1955年)が示す人類(サピエンス)の進化した未来(100万年後)の姿に思いを馳せる。ユバル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」を60年以上先行・凌駕している。人類の精神が一つに綜合されるユートピア。そこに神を見るのは自由だ。

立花隆の「サピエンスの未来」を図書館でたまたま見つけて読んでみた。 これは、立花隆(1940-2021年4月30日)が東大の駒場で1996年の夏学期に行った「人間の現在」という講義の記録である。初回は500人が聴講したが、最後の講義まで残っていたのは80人程度…

パナマ産ゲイシャ種のコーヒー豆を買って、自宅のコーヒーメーカーで淹れてみた。とてもきれいな味。味と香りが一体となった不思議な感覚を味わう。

行きつけのコーヒーロースターで、年末だけあるパナマ産ゲイシャ種を初めて買って、自宅の全自動コーヒーメーカーで淹れてみた。 「樵のわけ前」という天然水で淹れたのだが、とてもきれいな味に仕上がった。 店主は、「きれいな紅茶にチェリーが加わったよ…

モーツァルト、格別に心に響く。その理由は、自然から拾った肉声のような歌が、調性に捕らわれずに揺らいでいて、それが共鳴を手掛かりに連続的な転調で見事に解決されていく様子に魂が揺らぐからと、「K.545」を弾き、「レクイエム」を学び、小林秀雄を読んで思った、というお話。

多くの人が言う。「モーツァルトは他の音楽とは違う」と。 私も「モーツアルトか、それ以外か」というぐらい別格に思える。なぜなんだろう。 「それはモーツァルトが天才だからさ。」そうかもしれない。 それでは先に行けないので、モーツァルトをモーツァル…

ワーグナーの「ニーベルングの指輪」をMETのライブヴューイングで全四夜見た。ヴォータンの思いを推し量ってみた。

ワーグナーの「ニーベルングの指輪」。何を描いているのかとても興味があった。しかし、この長大なオペラをまさか全部見ることはないだろうと思い、20年ぐらい前に図書館で本を見つけて4巻読んだ。 あらすじはおおよそ理解したけれど、これをオペラにしたワ…

大田区郷土博物館の川瀬巴水展(後半)。巴水の描いた富士山を観て北斎の描いた富士山に思いを馳せる。そして画家が富士山を描く意味を考えてみた。

大田区郷土博物館の川瀬巴水展(2021年7月17日~9月20日)。前期と後期に分かれていて、前期は主に東京近辺の風景の版画が展示されていた。3回通って、勝手にご近所3部作と呼んでいる、東京20景の「大森海岸(1930年)」、「馬込の月(1930年)」、「池上市之倉(…

二期会のモーツァルト「魔笛」(宮本亜門演出)を東京文化会館大ホールで観て思ったこと(2021/9/9)

モーッアルトの「魔笛」(K.620)。モーツァルトが亡くなる1791年に作曲された最後のオペラ作品(ジングシュピール)。 2幕で2時間40分程度の作品。 今回初めて観た。すべてにモーツァルトが溢れてていて、素晴らしい。プロジェクションマッピングを使った宮…

聖徳太子1400年遠忌記念「聖徳太子と法隆寺」展を見て感じたこと。

今年は聖徳太子が621年に亡くなってから1400年。それを記念した展示会を国立博物館で観て来た。 tsumugu.yomiuri.co.jp 国宝の「薬師如来坐像」や、四天王立像の「広目天」、「多聞天」。重要文化財の「日光菩薩」、「月光菩薩」の立像など、およそ1400年前…

大田区龍子記念館所蔵の葛飾北斎「冨嶽三十六景」を満喫する。

大田区の龍子記念館。昭和の時代に豪快な日本画の大作を描いた川端龍子の作品を展示している。その記念館で、川端龍子が収集した葛飾北斎の「冨嶽三十六景」全四十六作品を期間限定で公開している。 「冨嶽三十六景」(1830-1832年頃)は、富士山を含む絵を…

METライブビューイングの「アイーダ」を観た。見どころ、聴きどころ満載で楽しめた。

ヴェルディのアイーダ。これを劇場で見るのは厳しいご時世に、METのライブビュービューイングで堪能した。 2018年の上演。METの昇降機全部を使いきって演出し、舞台や大道具の使いまわしが凄い。合唱団は100人以上。ソリストは文句なしの名手ぞろい。 METラ…

ハーバード老化生物学研究センター共同所長のD.A.シンクレア氏が著した「ライフスパン(老いなき世界)」を読んだ。老化を情報理論的に考えているところ(デジタル情報である遺伝情報のコピーミスを訂正すれば老化しない)が新鮮だった。

ハーバード老化生物学研究センター共同所長のD.A.シンクレア氏が著した「ライフスパン」(2019年に原作)の日本語版(2020年9月)を読んだ。 よく売れている本なので、「老化は病気なので、化学物質を摂取することで予防や治療ができる。」という氏の主張は…

新型コロナワクチンの第一回目を大田区の集団接種会場で受けて思ったこと

6月22日に接種券が届いた。 説明書には60-64歳は7月7日から予約ができると書いてある。自宅近くの医院でゆっくり打つつもりだったけれど、その翌日に、FBの情報で、蒲田駅前の専門学校の会場(紙の会場リストには載っていないので、新設会場だろう)ならフ…

パリで出会った川瀬巴水。平塚の川瀬巴水展でやっと本物を見て、いたく心に沁みたというお話。

川瀬巴水のことを初めて知ったのは、3年前(2018年)にパリを観光旅行して、パサージュ巡りをしていた時のことだ。 とある本屋に立ちよって、ジャポニズム関係のものがいっぱいあるなあ、と棚を眺めていると、 「あれ、このKAWASEって人、あなたの親戚なの」…

このブルームバーグの記事を読んで、DeFiの世界での暗号資産の取引は、イーサリウムのセカンドレイヤーで金融技術を駆使したスマートコントラクトを使って異次元的に凄いことをやっているのに驚いたというお話。

金融のプロであるFBの友人が、下記のブルームバーグの記事をFBで紹介してくれた。 www.bloombergquint.com それを見た私は、タイトルから内容を推測して、甘いコメントをしたところ、その友人は、私が読み取れなかったこの記事の核心部分に気づかせてくれる…

複雑系の研究で有名な、サンタフェ研のジョフリー・ウェストの著作、「SCALE:生命、都市、経済をめぐる普遍的法則」を読んで思ったこと。

この本の主題は、ずばり、複雑系と言われる、生命、都市(社会経済活動)、企業の成長と死を説明する共通のモデル(スケーリング則)があるのかどうかという事にある。 その結論は、生命と企業は線形以下のスケーリング則に則るので、同一種の中では大きくな…

ビジネスと人生の「見え方」が一変する、生命科学的思考、迷いなく生きるための生命講義 を読んでみた。

ビジネスと人生の「見え方」が一変する、生命科学的思考、迷いなく生きるための生命講義 を読んでみた。 著者の高橋祥子氏は、京大を卒業してから、東大の院で生命科学を専攻し、博士課程在籍中に、個人向けにゲノム解析サービスを提供するベンチャーを起業…

ゲイシャ種に関するコーヒーロースター店主との会話がためになった件。

行きつけのコーヒーロースタ―店「ナチュラル」に行ったら、エチオピア産のゲイシャ種の豆があった。 いつも買うモカ・イルガチァフィとコスタリカと一緒に購入して、 「先日、サザコーヒーのカウンターでコロンビア産のゲイシャ種を飲んだけど、すっきり系の…

人はなぜ音楽に感動するのか。その理由が知りたくてこの本を読んだ。結果として「ホログラフィックな脳」という妄想にたどり着いた。

Daniel Levitin氏の「This is your Brain on Music」。2006年に米国で出版され評判になった本。その邦訳の版権がYAMAHAに移り、新版となって今年の1月に出たので読んでみた。 著者のLevitin氏はミュージシャンから音楽プロデューサになり、その後神経科学者…

日本酒を味わいながら、その奥深さと可能性について考える。古酒、新酒、アッサンブラージュ。でもやはりワインの魔力には勝てないのか。古酒試飲会。話は世界と時代を駆け巡った。

酒に関して感じ、思ったことをまとめてみた。 まずは日本酒の奥深さについて。NHK BSの番組。オンデマンドで見られる。 www.nhk-ondemand.jp メチャクチャ面白かった。 最大の驚きは、2018年まで28年間ドンペリの醸造責任者を務めていたリシャール・ジェフロ…

ダン・ブラウン「ORIGIN」の読後メモ。汎用AIや量子コンピュータ、生命科学と宗教、スペインの歴史。エンタメ満載。

だいぶ前に読んだんだけど、ダン・ブラウン「ORIGIN」の読後メモを作っておこう。 https://www.amazon.co.jp/Origin-Novel-Dan-Brown-ebook/dp/B01LY7FD0D/ref=sr_1_1_twi_kin_1?ie=UTF8&qid=1526719406&sr=8-1&keywords=origin%20dan%20brown&fbclid=IwAR27…

宇宙論を学んだメモ。AdS/CFTとホログラック宇宙論がマルチバース宇宙を拓く

昨日、あるオフ会で宇宙論の話が出て、AdS/CFTとホログラフィック宇宙論のことが話題になった。いろいろ会話したなかで、今まで調べて考えてきたことを纏めておきたくなった。 今妄想しているのは、次のようなこと。 宇宙そのもの(Dinge an sich)は冗長多次…

「イタリア語の歴史 俗ラテン語から現代まで」を読んで、言葉は生きている文化であり、コミュニティの根幹であるとの思いを強くした。楽しく読めて学びが沢山ある良書です。

最近、イタリア語と、その源となったと思われるラテン語に興味を持っている。地元の図書館の蔵書をネットで検索していて、たまたまこの本を見つけた。 著者は2人のイタリア語史の大学教授。学者の書いたものというと、引用だらけで、読みにくい、堅苦しいも…

映画「ピカソがピカソになるまで」を観て思ったこと

eiga.com ピカソ「アヴィニオンの娘たち」1907年 映画「ピカソがピカソになるまで」を観て来た。ピカソ(1881-1973年)のキュビズムの絵が少しはわかるようになるのを期待していたが、やっぱり無理だった。 現代絵画を切り拓いた絵と位置付けられる、ピカソの…

福岡伸一氏の「フェルメール隠された次元」を読んで思ったこと

福岡伸一氏。「動的平衡」で有名な分子生物学者。氏は凄まじいほどのフェルメールオタクでもあって、フェルメール作とされる37点の絵画全部をデジタル技術を使ってリ・クリエイト(今の現物のコピーでなく、作成当時の色合いなどを科学的に予測して再現する…

吉森保 阪大教授の、最先端生命科学の良質な入門講義書、「LIFE SCIENCE 長生きせざるを得ない時代の生命科学講義」を読んで思ったこと

吉森保 阪大教授の、最先端生命科学の良質な入門講義書を読んだ。 タイトルは「LIFE SCIENCE 長生きせざるを得ない時代の生命科学講義」。 タイトルは覚えきれないほど長いが、その記述は、「科学とは仮説検証である」ことから始まって、平易な言葉を用いた…

ヴェルディの「椿姫」をMET(メトロポリタン歌劇場)のライブビューイング映像(映画)で見た。とても良かったので鑑賞後の感想を綴ってみる。

2020年11月29日に鎌倉芸術館小ホールでヴェルディのオペラ「椿姫」のMETの舞台のライブビューイング(2018年12月15日のライブ映像記録)を見た。 METにいるのと同じように幕間があって、その時間を使って歌手や指揮者へのインタビューやメイキング映像(指揮…

SoftBank World 2020 孫正義氏の基調講演(10/29/2020)で紹介された、期待のAI企業(ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先)

10 日ほど経ってしまったが、SoftBank World 2020(10/29/2020)で 孫正義氏が紹介したAI系の有望企業10社のメモを残しておこう。これらはソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先でもある。米国、インド、中国、韓国の企業ばかりで、日本企業は1社もない。…

SoftBank World 2020 孫正義氏の基調講演(10/29/2020)のメモ。孫さんとNVIDIA Jen-Hsun Huangと対談も楽しめた。孫さんのAIに対する期待と信頼は揺るがない。

オンラインでSoftBank World 2020に参加した。とても刺激的な孫さんの基調講演を聴いたのでそのメモを残します。 孫さんの話は2部構成になっていました。 ① NVIDA のCEOである Jen-Hsun(Jensen) HuangとのZOOMを使った対談(1時間、事前録画の再生) ② ソフ…

スペイン旅行記(4) コルドバとセビリア  メスキータでイスラムとカトリックが混じり合った文化を味わう。

2018年5月28日、マドリードからスペイン新幹線AVEに乗ってコルドバへ向かった。 バスに乗り換えて旧市街に向かい、グアダルキビル川の向こう側に古都の風景が見えた時は「おおっ」という感じがした。 【コルドバ】 コルドバの町 ローマ橋 ローマ橋を徒歩で渡…

スペイン旅行記(3) マドリードとトレド  マドリードは名画の宝庫、古都トレドは町全体が博物館のような世界遺産だ。

2018年5月26日にフランクフルト経由でマドリードに入った。その翌日のマドリード、トレドの観光をまとめてみた。 マドリードと言えば、プラド美術館。 プラド美術館 ゴヤの銅像も立っている。 ゴヤの銅像 プラド美術館は、歴代のスペイン王家のコレクション…