中国格安ツアーお約束のショップ訪問。必ずしも悪いものではない。

中国格安ツアーにはショップ訪問が組み込まれています。

そこでの売り上げの一部が中国を案内するツアー会社やガイド役に還元されるしくみだろうから、しつこく売り込まれたり、劣悪品を高い値段で売り付けられるのではないかという疑念が湧くのも当然に思えます。

私の参加したツアーは、名所の訪問よりもショップ滞在が長かったりする不満はありましたが、ショップ自体で不快なことはあまりなく、信用できるものを納得の値段で買えたかな(最初から買う気があったかどうかは別にして)と思えました。へーという事もあったので、メモを残します。

訪問したのは、淡水真珠の店、刺繍研究所、天然ゴムを使った寝具店、中国漢方茶店、シルク綿の掛布団の店の5か所でした。

1)淡水真珠の店

蘇州の太湖湖は国家が運営する淡水真珠の養殖地になっています。釣り禁止、遊泳禁止。その太湖湖周りの観光をしてからこの店を訪れました。多分国営店。古くからの外貨獲得の店であった雰囲気。目立たないが監視カメラがいたるところに。

最初は真珠粉が入った美白クリームの講義と販売。6箱1万円(円払い)で始まって、バナナのたたき売り営業で10箱1万円になった。1個1000円のお土産ともいえる。何人かが購入。私は買わなかった。

そのあとは真珠の宝飾品。1万円(円建て)の真珠の首飾りは小粒で不ぞろい。VIPルームには大玉一粒で300万円ぐらいのものがある。色は金色や紫が珍重される。日本の海水真珠とは別物と思った方がいい。圧迫営業は一切なかった。日本の宝飾店と同じ接客レベル。

2)刺繍研究所(蘇州)

刺繍と言っても一種の芸術工芸品。中国の伝統文化を守る意味もある。

f:id:yoshihirokawase:20190226125455j:plain

清の時代の女性はこの手の刺繍ができないと嫁に行けなかったそうです。ペルシャ絨毯みたいだ。お針子さんたちの実演が見られる。

大判のものは1年がかりなので工賃だけで240万円と言っていた。両面刺繍をガラスに挟んで鑑賞する。絵のような片面刺繍は安い。

名人の作品は確かに素晴らしく300万円以上する。そこそこのもので10-20万円(下記写真)。それを何人かが購入した。圧迫営業はない。

f:id:yoshihirokawase:20190226125554j:plain

我が家は家内が刺繍ハンカチを1万円ちょっとで買った。「おくさんキレイ、ダンナさんしあわせ」のおせじと100元の値引きが効いたかもしれないが、骨董市でいくつか買った刺繍ハンカチより精細な図案が気に入ったし、お値打ちであるというのが家内の評価です。5000円クラスではダメとのことです。

3)天然ゴム寝具店(豫園、台湾人の経営)

テンピュールの低反発に対して、天然ゴムの高反発の良さを説明。敷布団のシングルが10万円ぐらいだったと思います。何人かが1万円程度の枕を購入。頭をいい形で支えるのでいびき低減になるのが売り。我が家は高反発ベッドを買ったばかりなので何も買わなかった。

4)中国茶店(豫園、民間の店)

いい中国茶は欲しいと思っていたが、ここは漢方茶がメイン。茶器もあったが見る時間がなかったのが残念。

漢方茶の十金大補茶を試飲する。成分は下記写真の養身茶のリスト全部入り。

f:id:yoshihirokawase:20190226125809j:plain

f:id:yoshihirokawase:20190226125834j:plain

ツムラ漢方の十金大補湯とは構成が違うようです。

試飲して美味しいので買った。1年半分。おまけの甜茶とポットをつけて8500円の円払い。これを飲んでペットのお茶をやめたい。家でも飲んだがリラックスする感じはある。お茶でなく漢方の薬草なので農薬の心配はないとのこと。甜茶の葉っぱはそのまま食べてもいい。食べると確かに甘い。

プアール茶のビンテージ品は投資対象であるくらい高価だが、中国では(丁寧に作った)白茶というのが最高級とのこと。試飲したが(出し殻だったか)番茶のようでピンと来なかったので買わなかった。そこそこいいもので半年分で3万円ぐらいらしい。そういうお茶を都会の普通のサラリーマンが飲んでいるのが今の中国。営業トークもあるんだろうけれど。

5)シルク綿布団店(国営っぽい)

店に入ると繭から糸を自動で繰る自動繰糸機が動いている。8本の繭糸(髪の毛よりずいぶん細い)を撚って一本の絹糸にしている。触ってみると結構強い糸であることがわかる。一つの繭は一本の繭糸でできていて1000mぐらいあるそうです。

繭には中にさなぎ一匹のものとさなぎ二匹のものがある。さなぎ一匹のものは一本の繭糸なので絹糸に繰り糸されるが、さなぎ二匹の繭(雄雌、兄弟などペアリングは様々、中には3匹のもある)は二本の繭糸が絡まり合っているので繰り糸できない。なので、それをそのまま水平方向に布団サイズに四角く広げる(実演に参加してみんなで引っ張った、結構強い)。それを何十層も重ねて布団の中綿にする。重さ1Kg分が掛布団一枚。

繭糸は切れないので綿のように埃が出ず、ダニもつかない。アレルギー源にならない。保温、放熱、放汗性に優れる。汚れたら洗濯機でシャンプーで洗える(髪の毛と同じタンパク質)。

これでシングル1万3000円(春夏秋用)。厚手の寒冷地冬用もある。上海のリッツカールトンの掛布団がシルク綿布団で、軽くて暑からず寒からずのいい感じだったこともあり、我が家は3枚お買い上げとなりました。圧縮梱包で手持ちで帰ってきました。

糸が繰れないさなぎ二匹の繭が布団になっているとはいい勉強になりました。日本で売っているシルク綿布団よりはずっとお値打ちと思えます。

我が家の購入額は全部で6万円で少ない方。ツアー全体で100万円近く売れたでしょうね。買った人は納得と満足があるんだろうと思います。

 #中国格安ツアー #シルク布団 #ラテックス寝具 #淡水真珠 #中国刺繍 #中国漢方茶