AI人工知能EXPO 参加メモ その１(Huawei) 印象に残ったのは Huawei/iFlytek/SenseTimeの中国勢だったその訳は
はじめに
AI人工知能EXPO。
４月１日にオープンした、お台場地区の青海展示場という巨大な倉庫のようなところで、AI人工知能EXPOが４月３，４，５の３日間開催されました。
いくつかのセミナーに期待したのだけれど、AIの解説のような話か、自社の宣伝のようなものが多く、概して期待外れでした。それでもセミナーの聴講者は主催者発表で7,000人近い盛況でした。AIというと、会社でなんかやれ、と言われるので、ちょっと聞いておくか、というような企画部門のオジサンたちが多く参加している印象でした。
何人かの講師も言っていましたが、AIはまず勉強しましょう。自分で触ってもみないで人の解説だけ聞いていても実感できないでしょう。オンラインの教育でいいものがあります。私もそれで勉強して自分のPCで画像認識のAIを動かしてみました。そうして初めて実感できたことがいくつもあります。そのことは改めてブログに書くとして、ここでは展示会とセミナーの印象を書いて行きます。
私は元々は半導体屋なので、どうしてもハードに目が行ってしまいます。それもあって、展示ブースで説明員と話しこんでしまうほどのインパクトがあったのはHUAWEIです。
中国ナンバーワンのネットワーク機器とスマホの会社だけれど、専用半導体チップを内製出来るのが強みです。設計は100%子会社のHiSiliconが行って、ウエハ加工は台湾TSMCにアウトソースしています。
まずは、TSMCの最先端７nmのテクノロジーで作った、サーバー用の高性能MPU(ニックネームはKunpeng: 鯤鵬: 想像上の巨魚と巨鳥の意味)が目に入りました。
ARMコア(Ares)が64個内蔵で消費電力は180W。整数演算性能を示すSPECint のベンチマーク性能ではサーバー向けARM MPUの中で世界最高の模様です。
Kunpeng（Hi 1620）を使ったサーバTaiShan（泰山：道教の聖地の山）も静展示されていました。
さらに驚いたのはデータセンター向けスイッチの展示です。内部のTCP/IPのスピードは400GHz。これはAWSのデータセンター（内部TCP/IPは100GHz）の４倍速い。そしてパケットのハンドリングを最適化するための自前のAIチップを実装している（写真でHUAWEIのロゴが見えるもの）。このチップはビデオのロングパケット、音声のショートパケットなどの、パケットの性質を見て最適なパケットの詰め込みをして、パケットハンドリングの効率を上げているという。スイッチもそこまでインテリジェントになるのかと感心してしまった。
私は2000年頃に90nmのテクノロジーで2.5GHzの高速伝送のチップの開発に関係していたことがあるので、隔世の感がしてしまった。
それから世代的には90-65-40-28-20-14-10-7nm と７世代テクノロジーが進歩して、160倍速くなっている。３年で世代がひとつ進んで、2の7乗は126なので、一世代で倍ぐらい速くなる感じですね。指数関数的に性能が上がってシンギュラリティに向かうのか。
EUVリソの使い勝手がさらによくなるとして、3nm(原子10個)よりも小さい寸法にまで微細化が進んだ時に、普通のトランジスタ動作ができるのかどうか。それともシリコン量子ドットのシングルエレクトロントランジスタや、電子スピンを使う量子コンピュータ素子に代わっていくのか、2025年頃には一定の結論が出るでしょうね。そのあたりもいろいろ調べてブログに綴っていくつもりです。
５G関係では、ミリ波対応の28GHz帯の基地局が静展示されていました。後３年ぐらいで普及するだろうと説明員は言っていました。
先日米韓で始まった５Gはまだ10GHz以下の周波数帯を使っていると思うので、これは次世代品になります。廉価小型軽量が自慢だそうです。通信キャリアでなくても、自前のサービスをこの５Gの基地局で展開してもいいと言っていました。その国の電波免許を取れればの話でしょうがね。
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