国技館5000人の第九レッスンメモ(泉先生、2019/11/23 14:30)
泉先生の三回目のレッスン。今回で泉先生のレッスンはおしまい。
前の2回のレッスンメモにあることをさらいながら、フロイデから最後まで歌った。
http://yoshihiro-kawase.hatenablog.com/entry/2019/10/15/122027
http://yoshihiro-kawase.hatenablog.com/entry/2019/09/24/214014
2回目のレッスンは二重フーガを一回歌っただけで終わったので、今回は、第九仲間が皆、大絶賛している、二重フーガの構造解説が聴けると期待していた。しかし、残念ながら、それはなかった。お楽しみは来年まで取っておくか。
友人の話では、フロイデ隊と、ザイトウムシュルンゲン隊の進行だけでなく、同じ音をバトンの用にパート間で歌い繋いでいくことの説明もあるとのこと。なるほど。自分でも譜面を眺めて考えてみよう。
さて、今回のレッスンは前にもまして入念な発声練習を、冒頭の30分間みっちりやった。丹田アタックと口の奥を大きく開けて深い声を響かせ、頭から上に抜く歌い方を再確認した。
肩回しと、横の人の肩たたきを5000人でやるところを見たいと、いつもの泉節も炸裂。両国の本番に泉先生は来られるそうです。見かけたら明るく声かけ挨拶して欲しいそうです。最初の声出しは和田先生のご担当とのこと。
泉先生のレッスンは歌の表現力を上げることにも力点が置かれているので、歌詞をリズム読みでなく、演説のように、意味の通じる発話で物語性を持って読んだり、浅い発声を修正されたりします。私自身も男声合唱やザイトウムシュルンゲンの男声が頑張るところで、力み過ぎて荒い声を前に出していることに気づいたところがいくつかありました。
【werden Bruederの発音の確認】
Wは下の歯を上唇に当てるがかまない。その合わせた隙間から息と音を出す。
Bは(歯ではなく)唇どおしが合わさってそこから破裂音を出す。
今回の説明で納得です。
【フォル ゴーーーオツの後】
ファゴット2本が難しい低い音(B♭)を吹いている間はそれをじっと聴いていて動かないこと(息はする)。
元々のシラーの詩では、このフォルゴーオツの後は、イールスチュールトになる。つまり、神殿の門が開かないので、跪いて神を感じるか自問し、神を探しに天空に向かうのがストーリー。
フォルゴーオツの後に男性合唱が入っているのは、ベートーベンが別の話を入れたと考える(泉説)。
【Welt?(ff) such'(pp)の聞かせどころの後】
「天空にお父様はいらっしゃるに違いない」をまずff で歌い、もう一度ppで歌う。ここの意味を理解して歌う。
どちらもUeberの前に二分休符がある。ここは合唱もオケも無音になる。この無音をしっかり聞くこと。その無音の意味は、1回目はまだ疑問があることをffで、2回目はお父様がほのかに見えた静かな強い感動をppで表す。2回目の三連符の伴奏は尋常ならざるものを見たことの表現。
この静かな感動を持って二重フーガに突入する。二重フーガは神に最も近づくための音楽表現。
【R以降】
フーガが終わっても、Rからまた、イールスチュールトの確認作業が始まる。先ほどはWelt?に(疑問符付きで)語り掛けたのに、今度はBrueder(常にsfで歌われる、第九の合唱で一番大切な言葉)に語りかけ、オケがハイハイと答え、もう一度Bruederと言って、最終的な「天空にお父様はいらっしゃるに違いない」の確信に至る。ここも最後のlieber Vater wohnenがppだからこそ強い感動表現になっていることを理解して歌う。
お父様の存在が完全に確信できれば、もうあとはお祭り。その開始をソリストたちが歌い始める。そのソリストの部分を泉先生が一人四役で歌ってリードしてくれた。ソプラノ音域をファルセットでそのまま歌ってしまう凄さ。
それにかぶせるようにSから合唱が参加する。感激ですね。
最後のプレスティッシモはもう、祭りだワッショイ(北島サブちゃんです)で歌っていいとの指導です。そうやって歌ったらとても楽しかった。
第九のことをもっと知るにはこの本がおすすめとのこと。
《第九》トラの巻 曽根大介 著
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以上
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