国技館5000人の第九レッスンメモ(北川先生No.4、2020/2/13 18:30 蒲田アプリコ小ホール)

北川先生のレッスン最終回。120席の会場に115人ぐらいいる。席数20のテノールは18人もいる。バスも同じぐらい。それぞれ席数40のアルト、ソプラノはほぼ満席。今回はいつもと反対側のバス側の端の席に座った。バスの音を聞きながら自分の音を合わせて見たかったので。

北川先生登場。前の2回はセーター姿だったけれど、今回は黒の上下、詰襟のような演奏会服のようなお召し物。

先回同様、声出しは 北川先生のピアノで Stuerzt と Schoepfer での音階練習。

ピアニストは古瀬安子さん。ベートーベンがお得意でポーランドで(ベートーベン)のコンチェルトを弾かれた方だ、と北川先生が紹介されました。

https://koganei-civic-center.jp/calendar/2019/09/036617_profile.html

古瀬さんが、名器スタンウェイを第4楽章の冒頭部分から弾き出した。粒のそろった軽やかで滑らかな演奏。澤瀉さんの伴奏を思いだすなあ。

そして席立ちの場面。男性陣はほとんど早めにだらだらと立ち上がってしまって、「ええ?」。やり直し。ここは1万人との違いをかんじるなあ。

一気にVor Gottsまで歌う。その後キュッセのところの部分練習。最初にソプラノとテノールを合わせる。今日のテノールは熟練組が多いせいか、今までで一番歌いやすい。ソプラノも声質がそろっている。アルトとバスの合わせをやった後、4声で合わせる。ケールプの発音をしっかりとの指摘。ソプラノは高いシを歌うWollust ward dem Wurm gegebenのgeをしっかり歌う練習。

男声合唱テノール1は少数派かな。テノール2とバスの音を聞きながら歌う。ヘールト ツーウムの発音、特に最後のトとムをしっかり歌うこと。

Mからフーガの後のRまで通しで歌う。ザイトウムシュルンゲンのところから男声の力強いユニゾンに、女性が遅れて入って和音を美しく響かせる練習。特に622からMussをバス(シ♭)が入り、その後アルト(シ♭)とテノール(ファ)が入り、最後にソプラノ(レ)が入って、シ♭-レーファの B♭Major の和音を歌うところをしっかりさらう。

Nのところからの譜面を見ると、最初のブリューダは男声のユニゾンでドーレードを歌うので、C durのコード、その後のイーベルン シュテールネン ツェルトはファの単音で、コードを付けるならF durになる。ここはハ長調で主和音ーサブドミナントの和声の展開。その後の大友先生のこだわりの2回目のブリューダ(619小節)のところはヘ長調に転調して主和音のF durの和音を4声でハモリ、Mussを重ねていくところはヘ長調サブドミナントのコードのB♭の和音になっている。なるほどそういう事か。ここの曲の作りがわかったので、大友先生が精度を要求する619小節のヘ長調に転調した後のF Durの和音が大切で、テノールのラーシ♭ーラの音程が重要であることがよくわかった。

630のイールシュツルトからのところは北川先生の最大のこだわりのところ。今回はWelt!のC durの和音をしっかりハモる練習。ここは最初ト短調(ミは♭)で入るのに、ソプラノは最初からミ♮を歌っていて、ここもミ♮を歌う。このソプラノのミ♮の音程が下がると長調に聞こえないので、この音程の精度を追求する練習を何度もする。男声はどちらも高いドなんだけれどバスの中で低いミ(ソプラノのオクターブ下)を歌っている人がいると古瀬さんから指摘される。なんて耳がいいんだろう。

フーガのところは662からのザイトウムシュルンゲンの低い音をアルトがしっかり歌う練習。ここはテノールが高いラで入って同じ歌詞を主役の気分で歌うところだな。そしてソプラノはフロイデ!でバスはゲッテルフンケン。譜面を見ながらなるほどなあと思う。

Rのところ、クレシェンドしてきて753のzeltで>になった後、Mussからのp。あまりpを意識して歌ってなかったな。どおりで自分の声だけ聞こえると思ったわけだ。こういったところを譜面を見てしっかり歌わないといけないな。最後のVater wohnenのところはpiu pからppだし。ここもしっかり表現しよう。

763からのppのピアノ伴奏。なんて粒がそろってきれいなんだろう、と聞きほれる。

Sからのダイネツァウベル。pで入ってcresしていってWas die Modeでfになるダイナミズムを出す。前に進んでいく感じを出すことが大事。

最後のフンケンのフンは佐渡さんほど速くない。来週の大友マエストロの練習会で確認しよう。

最後に墨田区の区歌の「花」を歌った。さすがベテランの方々は暗譜で歌えている。1、2,3番でメロディーラインが違うので譜面で覚えないといけないな。チケットと一緒にもらった「フロイデ」の最終ページに載っている(たまたま隣の席だった初回の36年前から5000人を歌っているベテランの方が教えてくれた)ので、ちゃんと音取りしておこう。

歌詞も漢字を当てはめてみて、子供の頃に、意味も考えずに勢いで歌っていたのとは違う景色が見えて来た。歌詞もメロディーも名曲ですね。櫂と長堤は貝と朝廷だと思っていたんだよ、こどもの頃は。意味通じねーだろ。それに露を浴びているのは水屋だと思っていたんだし。日本語も、意味を理解して歌わないとね。

 

春のうららの 隅田川
のぼりくだりの 船人が
櫂(かい)のしづくも 花と散る
ながめを何に たとふべき

見ずやあけぼの 露(つゆ)浴びて
われにもの言ふ 桜木(さくらぎ)を
見ずや夕ぐれ 手をのべて
われさしまねく 青柳(あおやぎ)を

錦おりなす 長堤(ちょうてい)に
くるればのぼる おぼろ月
げに一刻も 千金の
ながめを何に たとふべき

http://www.worldfolksong.com/songbook/japan/hana.htm