歴史

立花隆が紹介するテイヤール・ド・シャルダン(1881-1955年)が示す人類(サピエンス)の進化した未来(100万年後)の姿に思いを馳せる。ユバル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」を60年以上先行・凌駕している。人類の精神が一つに綜合されるユートピア。そこに神を見るのは自由だ。

立花隆の「サピエンスの未来」を図書館でたまたま見つけて読んでみた。 これは、立花隆(1940-2021年4月30日)が東大の駒場で1996年の夏学期に行った「人間の現在」という講義の記録である。初回は500人が聴講したが、最後の講義まで残っていたのは80人程度…

ワーグナーの「ニーベルングの指輪」をMETのライブヴューイングで全四夜見た。ヴォータンの思いを推し量ってみた。

ワーグナーの「ニーベルングの指輪」。何を描いているのかとても興味があった。しかし、この長大なオペラをまさか全部見ることはないだろうと思い、20年ぐらい前に図書館で本を見つけて4巻読んだ。 あらすじはおおよそ理解したけれど、これをオペラにしたワ…

大田区郷土博物館の川瀬巴水展(後半)。巴水の描いた富士山を観て北斎の描いた富士山に思いを馳せる。そして画家が富士山を描く意味を考えてみた。

大田区郷土博物館の川瀬巴水展(2021年7月17日~9月20日)。前期と後期に分かれていて、前期は主に東京近辺の風景の版画が展示されていた。3回通って、勝手にご近所3部作と呼んでいる、東京20景の「大森海岸(1930年)」、「馬込の月(1930年)」、「池上市之倉(…

聖徳太子1400年遠忌記念「聖徳太子と法隆寺」展を見て感じたこと。

今年は聖徳太子が621年に亡くなってから1400年。それを記念した展示会を国立博物館で観て来た。 tsumugu.yomiuri.co.jp 国宝の「薬師如来坐像」や、四天王立像の「広目天」、「多聞天」。重要文化財の「日光菩薩」、「月光菩薩」の立像など、およそ1400年前…

パリで出会った川瀬巴水。平塚の川瀬巴水展でやっと本物を見て、いたく心に沁みたというお話。

川瀬巴水のことを初めて知ったのは、3年前(2018年)にパリを観光旅行して、パサージュ巡りをしていた時のことだ。 とある本屋に立ちよって、ジャポニズム関係のものがいっぱいあるなあ、と棚を眺めていると、 「あれ、このKAWASEって人、あなたの親戚なの」…

「イタリア語の歴史 俗ラテン語から現代まで」を読んで、言葉は生きている文化であり、コミュニティの根幹であるとの思いを強くした。楽しく読めて学びが沢山ある良書です。

最近、イタリア語と、その源となったと思われるラテン語に興味を持っている。地元の図書館の蔵書をネットで検索していて、たまたまこの本を見つけた。 著者は2人のイタリア語史の大学教授。学者の書いたものというと、引用だらけで、読みにくい、堅苦しいも…

福岡伸一氏の「フェルメール隠された次元」を読んで思ったこと

福岡伸一氏。「動的平衡」で有名な分子生物学者。氏は凄まじいほどのフェルメールオタクでもあって、フェルメール作とされる37点の絵画全部をデジタル技術を使ってリ・クリエイト(今の現物のコピーでなく、作成当時の色合いなどを科学的に予測して再現する…

スペイン旅行記(4) コルドバとセビリア  メスキータでイスラムとカトリックが混じり合った文化を味わう。

2018年5月28日、マドリードからスペイン新幹線AVEに乗ってコルドバへ向かった。 バスに乗り換えて旧市街に向かい、グアダルキビル川の向こう側に古都の風景が見えた時は「おおっ」という感じがした。 【コルドバ】 コルドバの町 ローマ橋 ローマ橋を徒歩で渡…

スペイン旅行記(3) マドリードとトレド  マドリードは名画の宝庫、古都トレドは町全体が博物館のような世界遺産だ。

2018年5月26日にフランクフルト経由でマドリードに入った。その翌日のマドリード、トレドの観光をまとめてみた。 マドリードと言えば、プラド美術館。 プラド美術館 ゴヤの銅像も立っている。 ゴヤの銅像 プラド美術館は、歴代のスペイン王家のコレクション…

スペイン旅行記(2) グラナダ 「アルハンブラ宮殿の思い出」 パラドールがとっても素敵だった。

クラシックギタリストとしては、アルハンブラ宮殿に一度は行かねばならないと思っていた。 2018年5月29日の夕方にグラナダに入った。観光バスから送迎のバンに乗り換え、かなり丘を登っていって、パラドール・デ・グラナダに到着した。 【パラドール・デ・グ…

スペイン旅行記(1)バルセロナ アントニオ・ガウディの建築を見て回った一日

2018年5月31日にバルセロナを観光し、アントニオ・ガウディ(1852年 - 1926年)の建築を見て回った。 【サグラダ・ファミリア】 言わずと知れたガウディの代表作で、1882年の着工以来今も建設が続いている贖罪教会(信者の贖罪のための喜捨=寄附により建設…

イタリア旅行記(5)ヴェネツィア ドゥカーレ宮殿の華麗さに驚愕し、ヴェネツィア共和国千年の歴史に思いを馳せる 

2017年7月9日の午後、ミラノからヴェネツィアに入った。 ヴェネティアはイタリア半島から4キロほど沖合の、ラグーナに浮かぶ(潟を埋めた)島である。外洋はアドリア海で、対岸はクロアチアになる。バスで行けるのは島の西側の、聖クローチェ区までで、そこ…

イタリア旅行記(3) ローマ 遺跡を巡って古代ローマに思いを馳せるのは意外に難しい

2017年7月13日、フィレンツェからローマ入った。 ローマに2泊して遺跡を巡った時の写真旅行記をまとめてみた。ヴァチカンは別ブログにしよう(長くなりすぎるので)。 まずはコロッセオ。 テルミニ駅近くのホテルからタクシーで行った。10分ぐらいで着いた。…

トルコの思い出 イスタンブールの異国情緒とボスポラス海峡を見た感慨は今でも思い出す。

2010年と2011年に仕事でトルコを訪問した。 その時のスナップ写真を整理してみた。 アヤソフィア (ハギア・ソフィア聖堂) アヤソフィアは4世紀のローマの時代に建てられ、その後カトリック、ギリシア正教、イスラムの間での長い歴史があるが、訪問した当時…

イタリア旅行記(2)フィレンツェ メディチ家が集めたルネサンス美術を堪能 ピッティ宮殿は至福の場所だ

2017年7月11日、べネチアからバスでフィレンツェに入った。 フィレンツェの中心部に入る前に、アルノ川の南側に位置する、ミケランジェロ広場からフィレンツェ全体を見渡すことができた。 ミケランジェロ広場から眺めたフィレンツェ 古都の雰囲気が溢れてい…

パリの旅行記 美術館とパサージュ巡りの至福の日

しばらくは海外旅行に行けそうもないので、昔の楽しい旅の写真を整理しつつ、旅行記を綴ってみようと思う。 第一話はパリ。 2018年6月の家族旅行のことを綴ってみる。私は仕事を含めれば3回目のパリになる。 JALのツアーでまずはスペインに行ったのだが、そ…

三島由紀夫vs東大全共闘の映画を見て思ったこと。

三島由紀夫。高校生の頃、「おれは三島と谷崎が好きだ。」と嘯いていた割にはその本質はわかっていなかったような気がする。 大学生の時に、豊穣の海を読んだけれど、「暁の寺」以降は難解で、理解できなかったことだけを覚えている。 一つ思ったのは、「あ…

「超訳 ヨーロッパの歴史」を読んで自由主義と民主主義などについて考えた。

「超訳 ヨーロッパの歴史」を読んだ。 丸善あたりでは売れているようです。結論を言い切った文章を連ねているので、特に前半は読みやすい。欧州を、ギリシア・ローマからEUまで、文化、言語、制度、主義、宗教などの視点で論じている。 現代では、自由主義と…

旅のおもいで(ドイツ、2007年)

初めてのドイツ(1)-ベルリン 2007年09月 パリ経由でベルリンに行った。 ベルリンの壁の検問所のひとつ(A,B,CのうちのC)であった、 チェックポイントチャーリーの跡地に行った。 ほとんど観光地化していた。ベルリンの壁はほとんど残っていなくて、Zimm…

旅の思い出(フランス、2007年)

はじめてのフランス 2007年05月02日 仕事で2泊4日でフランスに行った。 米国や台湾はさんざんいったが、欧州は始めて。 仕事が終わって、同行したフランス人がパリを車で観光してくれた。エッフェル塔やシャンゼリゼ通り、凱旋門、ルーブルを眺めるだけで、…