物理

モーツァルト、格別に心に響く。その理由は、自然から拾った肉声のような歌が、調性に捕らわれずに揺らいでいて、それが共鳴を手掛かりに連続的な転調で見事に解決されていく様子に魂が揺らぐからと、「K.545」を弾き、「レクイエム」を学び、小林秀雄を読んで思った、というお話。

多くの人が言う。「モーツァルトは他の音楽とは違う」と。 私も「モーツアルトか、それ以外か」というぐらい別格に思える。なぜなんだろう。 「それはモーツァルトが天才だからさ。」そうかもしれない。 それでは先に行けないので、モーツァルトをモーツァル…

複雑系の研究で有名な、サンタフェ研のジョフリー・ウェストの著作、「SCALE:生命、都市、経済をめぐる普遍的法則」を読んで思ったこと。

この本の主題は、ずばり、複雑系と言われる、生命、都市(社会経済活動)、企業の成長と死を説明する共通のモデル(スケーリング則)があるのかどうかという事にある。 その結論は、生命と企業は線形以下のスケーリング則に則るので、同一種の中では大きくな…

人はなぜ音楽に感動するのか。その理由が知りたくてこの本を読んだ。結果として「ホログラフィックな脳」という妄想にたどり着いた。

Daniel Levitin氏の「This is your Brain on Music」。2006年に米国で出版され評判になった本。その邦訳の版権がYAMAHAに移り、新版となって今年の1月に出たので読んでみた。 著者のLevitin氏はミュージシャンから音楽プロデューサになり、その後神経科学者…

ダン・ブラウン「ORIGIN」の読後メモ。汎用AIや量子コンピュータ、生命科学と宗教、スペインの歴史。エンタメ満載。

だいぶ前に読んだんだけど、ダン・ブラウン「ORIGIN」の読後メモを作っておこう。 https://www.amazon.co.jp/Origin-Novel-Dan-Brown-ebook/dp/B01LY7FD0D/ref=sr_1_1_twi_kin_1?ie=UTF8&qid=1526719406&sr=8-1&keywords=origin%20dan%20brown&fbclid=IwAR27…

宇宙論を学んだメモ。AdS/CFTとホログラック宇宙論がマルチバース宇宙を拓く

昨日、あるオフ会で宇宙論の話が出て、AdS/CFTとホログラフィック宇宙論のことが話題になった。いろいろ会話したなかで、今まで調べて考えてきたことを纏めておきたくなった。 今妄想しているのは、次のようなこと。 宇宙そのもの(Dinge an sich)は冗長多次…

SoftBank World 2020 孫正義氏の基調講演(10/29/2020)で紹介された、期待のAI企業(ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先)

10 日ほど経ってしまったが、SoftBank World 2020(10/29/2020)で 孫正義氏が紹介したAI系の有望企業10社のメモを残しておこう。これらはソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先でもある。米国、インド、中国、韓国の企業ばかりで、日本企業は1社もない。…

ホーキングのビッグ・クエスチョンの答えを味わってみた。1000年先の未来を見た。

ホーキングのビッグ・クエスチョン<人類の難問>。しっかり読んだ。ホーキングの答えから私が読み取ったものを綴ってみた。 ①神はいるのか 神がいなくても宇宙物理学は困らない。宇宙の科学法則を神と呼ぶのは構わない。 ②宇宙の始まり方はどうだったのか …

IUT(宇宙際タイヒミュラー)理論の紹介書に刺激を受けて、数学 - 物理 - 哲学の世界を妄想してみた。

IUT(宇宙際タイヒミュラー)理論の紹介書を読んでみた。望月新一氏(現京都大学数理解析研究所教授)の構築した独創的な数学で、これの応用の一つとしてABC予想を解決したとされる。 ABC予想は下記に説明があるが、どうも、足し算と掛け算の根深いところに関…

「AIが人智を超える超知能となる時に、人間はAIとどう付き合うのか」を考える本を読んだ

MITの宇宙物理学の教授がAIと人間の未来について考察した本。原書は2017年の出版で、オバマやビル・ゲイツ、ホーキングが絶賛したと言われています。たまたま「誠品生活日本橋」の「誠品書店」に行ったときに、出たての日本語訳を見つけて思わず買ってしまっ…

ロヴェッリ著「時間は存在しない」を読んでいろいろ考えたこと

「ループ量子重力論」を提唱するイタリア人理論物理学者カルロ・ロヴェッリの書いた啓蒙書。 「量子重力の基本方程式は時間変数を含まず、変動する量の間のあり得る関係を指し示すことでこの世界を記述する。」だから時間は存在しない。 「ループ量子重力論…