ソフトバンクの「群戦略」6/20/2018 株主総会
孫会長のプレゼンで「群戦略」が説明されたので、メモを残します。
群戦略とは注力分野のNo.1企業の株式を20‐30%ソフトバンクが所有する事で企業価値の向上を図っていくこと。その群内企業の株価が上がるとソフトバンクの企業価値(時価評価での所有株の資産額)も上がる。
その好例がアリババ。アリババの時価総額(58兆円)はトヨタ(22兆円)の2.6倍。その28%をソフトバンクが所有している。ジャックマーはソフトバンクの取締役で、孫さんはアリババの取締役。お互いの意見交換が最大の価値であるとジャックマーがコメントしていた。
親子関係だと発生する統制が持ち分関係ではなく、自己増殖、自己進化できるのがいいということのようです。また、そういう強い会社でなければ意味がない。孫さんは孫子の「戦わずして勝つ」とランチェスターの法則(強者戦略)が座右の銘とのこと。
旧来の日本の大企業のグループ子会社戦略はシナジーもあまりない様々な分野の弱い企業を100%子会社で抱え込んで雇用の受け皿にするもので、まるで真逆ですね。
群戦略で行けば、スプリントとTモバイルの合併をスプリントが少数株主で合意したこと、ARM CHINAの51%の株式を中国資本に売却したことも整合している。今計画中のソフトバンク携帯事業会社の上場も51%まで株を手放すことを視野に入れているのだろう。49%以下の持ち分では連結決算の対象から外れ、持ち分比率相当の利益(場合によっては損失)をソフトバンクが計上するだけになる。持ち分会社がその分野で成長し、その成長の果実を利益のかさ上げと株価の上昇による資産の増大でソフトバンクが得るという事になる。
群戦略の対象はシェアリングエコノミーに向かっている。
ソフトバンクはライドシェアの UBER(欧米)、DiDi(中国)、Grab(シンガポール)、OLA(インド)すべての筆頭株主になっている。
トラック荷受情報シェアリングサービスのFull Track Alliance (中国)にも投資。
オフィスシェアリングサービスのWeworkにも投資。
インドのOYOとOYO Chinaにも投資している。これはホテルの予約サイトでホテルの運営面にも関与してサービスの品質を維持していくもののようだ。
これ以外にAUTO1(ドイツの中古車販売サイト)、Paytm(インドの電子決済)にも投資。
株価に関してのコメントもあった
ソフトバンクが持っているアリババやヤフーなどの株の持ち分の時価総額から借金総額を引いたものを株数で割ると、一株当たり14,000円になる。現在ソフトバンクの株価は8,000円で、あまりに過激なことをする孫正義ディスカウントになっているかもしれないが、いずれ資産額と株価総額は近づくと見ている。
WEBで株主総会のビデオが誰でも見られます。
https://webcast.softbank.jp/ja/detail/video/ref:20180620_01_ja