おとなから始めるピアノのレッスンの振り返り
40歳を過ぎてからピアノを習い始めて13年になります。
基礎からやる本手の習い方はつらいので、「楽しいピアノ」を目指して弾きたい楽曲をやさしい順にやっていけば何とかなるだろう、と甘い考えで続けてきましたが、なんともならないです。最近心を入れ替えて、できないところ取り出して何度も部分練習をするようにしたら少しよくなってきたように思います。昔習った曲を再度先生に教わっていますが、当時MIXIに書いていたレッスンメモを見直すと、当時指摘を受けた課題は今でも課題のままであることに気が付いて愕然としました。
それをこのブログに自戒を込めて再掲してコメントを加えてみようと思います。
①2007年02月21日
2005年の6月にピアノを習い始めました。
最初はおそるおそる”大人のピアノ”なる月2回のグループレッスン(クラビノーバを使用)を始めました。バッハの平均律クラビーア曲集Iのハ長調のプレリュードをやり、次に久石譲の”ハウルの動く城”の初中級向けアレンジ版をやって、大胆にも5か月後の11月に”おとなのピアノ”発表会(大人の初心者多し)でこの2曲を弾きました。
一応暗譜で弾いたんですが、なにせ体育会系的指で覚えた暗譜なので、順番が近づくと不安感に襲われ、緊張で指も冷たくなってきました。えいっと、弾き始めると指は少し震えるし、何度も間違え、弾き直して、上の空のような演奏でした。達成感とは程遠いものでした。
その後はやっぱりグランドピアノでクラシックが弾きたいと思って(自宅はクラビノーバなんですが)、グランドピアノでの個人レッスンに切り替え、”エリーゼのために“で年越し。
06年はモーツアルト生誕250年ということで無謀にもトルコ行進曲を始め、途中で挫折、ならばとてハ長調のソナタ(K545)に切り替えるも完成せず。
https://www.youtube.com/watch?v=eg1ElcVdafs
https://www.youtube.com/watch?v=--xUEHk518U&list=RD--xUEHk518U&start_radio=1&t=5
夏を迎えると先生が07年1月に発表会あるけどどうする、というので、どうせやるなら、のだめカンタービレ(ベートーベン悲愴第2楽章)と宣言してそればかり半年練習して07年1月に初めての本格的な発表会(藤沢市市民会館小ホールでYAMAHAのフルコンのCFを弾いた)を経験しました。
中間部で派手にはずして立ち往生しましたが、その後は持ち直して最後まで行けたので自分的にはよしとしています(発表会ビデオは見る気が出そうにないですが)。いい経験でした(実は相当なショックでした、本番ではこんなにできないんだと)。
いまはショパンの雨だれを始めています(基礎練習もしないで)。好きな曲を弾きたいと私が言うので、先生は結構あきれています。
②2007年02月21日
クラシックは先生に習う必要があるなあ、と思います。
私の場合、最初は譜面の読み間違いや見落とし(テンポ、強弱)の指摘、装飾音の弾きかた(エリーゼのためにの中間部など)を教わることが有効でした。それとペダルの踏み方。
今の課題は、音の出し方。指で弾く、手で弾く、腕で弾く、これによって音が変わるというのが最近少しずつわかってきました。
最初は指でしか弾けなかったのが、最近は手でも弾けているような気がしています(これは今思うとウソです)。
もちろん指の訓練が足らないので、音の粒をそろえるのが難しく、モーツアルトのアレグロ系はとても厳しいです(ここで基礎の大切さに気付くべきなんですよねえ)。
したがってアダージョ系の楽曲を今は選ぶ、という趣味的な選択をしています。
井上直幸先生の”ピアノ奏法”というビデオがあります。最初はちんぷんかんぷんでしたが、だんだん実感としてわかるようになってきました。
③2007年03月04日
ショパンの雨だれを一応最後まで弾いてみる。
まだ曲にならない。5分程度の曲が途中弾きなおすのでまだ8分かかる。(ポリーニは4分59秒、キーシンは5分34秒) (これでは演奏にならない。先生はよく我慢してくださいました。)
冒頭部分をさらいながら言われたこと
1)音が濁っている。ペダルを正確にきちっと最後まであげる。ただし音がぶつぶつ切れないように。
>クラビノーバをヘッドホンで弾いているとペダルがいい加減になりやすい。週に一度は練習室を借りてグランドを弾いているんですけど、気をつけて練習するしかない。
2)左手の音が大きい。
>もともと左利きなので、むしろ右手が弱い。メロディーラインがぼけないようにしっかりと弾こう。小さい音でくっきり弾くのは難しい。やっぱりハノンをやるのかな。
④2007年05月02日22:25
雨だれがほぼ完成してきた。 先生も”まあ、いいんじゃない”とのこと。 ミスタッチは相変わらず根絶できないけれど(特に9-22 小節)、雰囲気は出せるようになったかな。
レッスンのメモ
1) Sotto voce をとても弱く入ること。
特に右手のAsは同じ指で鍵盤から指を離さないで押さえる ように弱く弾くこと。あわせて左手も音が切れないように レガートで弾く。指を鍵盤に乗せていくように弾く。
2)81小節以降のテンポ
4分音符でメロディを弾いた後の84小節からの8分音符が遅い。
頭で数えながら正確に弾こう。ritするのは最後の2小節だけ。
3)少し速度をおとして、テンポを揺らす。
>いまは譜読みで精一杯。余裕がないときほど速く弾いてしまう。私の場合、暗譜できないと表現にまで気が回らない。譜を見て弾いている段階では、鍵盤を見て譜面から目が離れてしまうともとに戻れずめろめろになってしまうことが多い。もっとやさしい曲で譜面を見ながら弾く練習をしないといけない(ショパンプレリュード4番でその練習をしていこう)
4)最初の右手小指のファの音を美しく弾く。指の当て方で音が変わるので、自分で工夫してみる。
>深いですねえ。
5)中間部のffの脱力での弾き方。
>いろいろ教わりながら弾いてみる。腕の重さで弾いて、すぐ力を抜くということなのだろうけれど。。
好きな曲だから練習をしていける、と思ってやっていこう。
⑤2007年05月02日22:36
最近ハノンの1番と8番を弾くようにした。 効果は大きいと実感している。 弱点だった右手の薬指、小指が強く弾ける様になった。 結果として、楽曲を弾くときの右手の音がはっきりして来た。 以前はメロメロだった、モーツアルトのK545(ハ長調のソナタ) の冒頭の音階練習のようなところが、だいぶ改善されてきた。 先生にも、一つ一つの音がはっきりしてきたとのコメントを もらった。やっぱり訓練は必要だと思う。訓練ばっかりでは つまらないので、楽曲練習とあわせてバランスよくやって いきたい。
⑥2007年09月17日23:07
連休の頃からシューベルトの即興曲作品142-3をずーっとやっている。最初の予定ではテーマはさっさと仕上げて、第一、第二 変奏まで弾いて、最後のLentoでのメインテーマの再現部につなげてそれで1曲とするつもりだった。 全くだめ。なんとか第一変奏までは形にしたいとやっているが、 テーマはともかくとして、第一変奏の流れるようなメロディーが つながらない。先生も”先週よりはいいけれど、練習するしかないわねえ”のコメントの繰り返し。先回は”そろそろ別の曲に したら”との宣告。ということで、展覧会の絵のプロムナードの譜読みを開始した。
シューベルトも第一変奏がやっと暗譜できるところまできたら、 少しずつよくなってくる兆しはあるので、あきらめずにやっていこう。 結構、私の場合暗譜できてから、どこまで弾きこむかが大切。 やっぱり、弾き込みが足らないんだなあ。
このシューベルトの曲で、手首を柔らかく動かすことを学んでいるような気がする。運指もいままでないようなパタンが多いので不慣れから指が止まってしまう。譜面では次はセブンス コードだ、とわかっていても指が動かない。
この曲は終わる前のセブンスコードというのがはっきりわかって、ちょっとポップスみたいで面白い。それにしても半音の揺れで流れるようなメロディーを作っているのは素敵ですね。
⑦2008年01月18日21:13
ムソルグスキーの展覧会の絵のプロムナードをここ2ヶ月ほどやっている。 暗譜はほぼ出来て後は弾き込むだけなんだけれど、やっぱり右手4音の コードがうまく弾けない。先生はまずゆっくり弾いて練習しなさいとのアドバイス。
最近はどうもこのパタンに落ち込むことが多い。基礎訓練 ができていないので、弾けない部分があると、結局そこが満足できないレベルでいつまでも残ってしまうし、ミスタッチも消しきれない。
急がば回れで、そろそろまじめに基礎訓練をしようと思う。楽曲練習ばかりしてきて、一応レパートリーと言える、暗譜でそれなりの演奏が出来る曲が3曲あるが、仕上がりには満足できていない。
https://www.youtube.com/watch?v=J-nGPxfnqdc
先生がプロムナードを模範演奏してくれた。音大の1年の時に全曲を弾いたとのことだが、全く別次元の演奏に感動した。fの音量、音のクリアさ、f-pの ダイナミズム、とても同じピアノを弾いていると思えない。曲想のつけ方も全く違う。大男がどしどしと床を鳴らしてやってきてかがみこんで絵を見ているようなイメージがありありと伝わってくる演奏。わたしはむしろ小人(Gnome) がちょろちょろ動き回っているようなイメージで捕らえていたので、その表現の差に目からうろこが落ちた様な気がした。
こういう感じはCDを聞いていても伝わってこない。身近で弾いてもらって初めて得心できた。
⑧2008年01月18日
年が明けてピアノ教室の先生が変わった。
初めてのレッスンで挨拶がわりにショパンの雨だれを弾くと、 ”音楽を表現することはわかってらっしゃる様ですが、その表現を支える基礎的な弾き方ができていませんね。”
モーツアルトのピアノソナタ ハ長調 K545 第一楽章の前半部分を弾くと ”手のひらの高さを一定にして、指で弾く様にしないと、そういう 早いパッセージは弾けませんよ。まず、ゆっくり、確実に弾ける 様にしましょう。来週からハノンとチェルニーの30番をやりましょう。”
みごとに課題を抽出されてしまった。
前の日記にも書いたが、楽曲練習だけでは演奏のレベルが上がらない ことを自覚しているので、きれいな音を出す、滑らかにスケールを弾く、指の独立性の向上と音の粒を揃えるということを目的に基礎練習をまじめにやって、モーツアルトらしいモーツアルトが弾けるようになっていきたい。まずは滑らかな指くぐりスケールかな。これができないとトルコ行進曲とかがうまく弾けない。
言われたことのメモ
1) 肩に力が入っている。それでは今以上にフォルテの音が大きく弾けない。
2) 姿勢が悪い。手のひらと腕を水平に維持すること。
⑨2008年01月21日
ピアノの弾き方の基本
1) 指と手のひらに力を込める。手首から上は力を抜く。
手の形は卵を握るような形。
バスケットボールを手のひらでつかんでいるようなイメージで
指、手のひらの形と力の込め方を意識する。
2) 手首から指先までの骨がそれぞれ1本のバチのようになって打鍵する。
鍵盤をたたくのではなく、(しっかりした)
指を鍵盤に乗せていく。指がぶらぶらしたり、外側に反るように
なってははいけない。
3) 指を入れ替えていくような感じでスケールを弾く。
弾き終わった指を上げることを意識する。
4) ますゆっくり弾くことで、無駄な力を入れないことを覚える。
無理に速く弾くと、無駄な力がはいってしまう。
5) 手は指が鍵盤に触れるか触れないかの位置で高さを保つ。
6) 姿勢を常に意識する。
7) 大きい音をだすには、鍵盤をたたく力を大きくするのではなく、
打鍵のスピードをあげる。
今のコメント
今読み返すと、なんでこんなに焦って中途半端な食い散らかしをやっていたのだろう、急がば回れなのに、と思います。
最初は薬指と小指がうまく動かないので、それを平均律を弾くことで訓練に代えようと思っていたのですが、甘い考えでした。やはり指の訓練、強くも弱くも各指の音の粒がそろって流れるようなアルペジオが歌うように奏でられる指と手と腕を育てないと音楽を奏でることにならないなあと思います。
体育会暗譜はダメです。本番の時に猛烈に不安になります。音符を頭に入れつつ積み上げた暗譜でないと自分を支えられません。理想は譜面を見ながらブラインドタッチで弾けるようにすることだと思います。そうすると譜面が頭に入っている形の暗譜ができてそれを頭の中で見ながら指が勝手に動く暗譜演奏ができるのだと思います。
そう思って、最近平均律ハ長調を取り出してブラインドタッチ型の暗譜で仕上げようとしていますが、我流では難しい。それ用の本を手に入れたので、それもやりつつ先生に見てもらおうと思っています。
シューベルト即興曲は一昨年、「雨だれ」は昨年やり直して演奏会で弾きました。本番になると相変わらず緊張するのが課題(暗譜の仕方がまだ悪いのも影響していると思います)で、ミスタッチが発生しまくりです。先生には「途中でとまったり弾きなおしがなくなったのはまあいいかな」と言われました。それを励みに今は「悲愴」のやり直し中です。平均律も並行して自習で始めましたがまずは譜面を目で追いながら演奏できることを課題としています。
べートーベン月光、シューマントロイメライも習い直したいところです。
https://www.youtube.com/watch?v=XBiqET7KY1M
https://www.youtube.com/watch?v=Z2fmEthqCDY