イタリア旅行記(2)フィレンツェ メディチ家が集めたルネサンス美術を堪能 ピッティ宮殿は至福の場所だ
2017年7月11日、べネチアからバスでフィレンツェに入った。
フィレンツェの中心部に入る前に、アルノ川の南側に位置する、ミケランジェロ広場からフィレンツェ全体を見渡すことができた。
古都の雰囲気が溢れていて、やっぱりドゥオモ(大聖堂)のクーポラ(ドーム)がフィレンツエの象徴だなあ、と気分が上がってくる。
ドゥオモ広場に着いた。
通称「天国の扉」(1425-1452年)ギベルティ作。これはレプリカ(日本の「サンモトヤマ」の元会長が寄贈)で、本物はドゥオモ付属博物館にある。
早速、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に入場する。
まずはクーポラの天井画を見上げる。
天井画は、コジモ・メディチがジョルジョ・ヴァザーリに描かせたもの。
ブルネレスキが設計した天蓋の施工は、レンガをヘリンボーン状に積んで行くという画期的なものだったなようだ。
ドゥオモ広場から南に5分ぐらい歩くとシニョーリア広場に着く。
正面に見えるのがメディチ家の政治の拠点であったヴェッキオ宮殿。右端に映っているのがウフィツィ美術館のある建物。
そして、ヴェッキオ宮殿の前に建つのがミケランジェロのダビデ像(複製)
これは、写真などで見慣れた力強い勇姿だけれど、彫刻の面白いところは、360°ぐるりと回っていろんな角度から眺められること。
ダビデ像をこちらから見ると、なにか体が細くなったようで、手の位置も内側に入って見えるので、ちょっと弱い感じ見える(特に写真では)。どっかで見たような、と思ったら、NHK Eテレの「旅するイタリア語」に出てくる「ダビデ君」を思い出した。
「彫刻は、実物をぐるりと回ってみるものだ。」これはルーブルでミロのヴィーナスの背中を見た時につくづく思った。あれは世界一美しい背中ですよ。ぜひご覧あれ。
さて、正面に見えた、べッキオ宮殿に入る。ここはメディチ家が政治の拠点としていたところである。
中はこんなようすだ。
そして、これが有名な「500人の大広間」。
この場所は、今でもフィレンツェ市庁舎のホールとして使われいるようだ。天井画が凄い。
この天井裏を、ダン・ブラウンの映画「インフェルノ」で、トムハンクス扮するラングドン教授が逃げ回ったことを思い出す。
壁画もまた壮大だ。両面の壁画は、本来はレオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロの絵の腕の競い合いになるはずの場所だったそうだ。
では、メインイベントのウフィツィ美術館に入ろう。
場所はヴェッキオ宮殿の隣の建物。
まずはなんといってもフィレンツェのルネサンス画家の代表であるボッティチェツリ(1445-1510年)。宗教画を離れて、ギリシャ・ローマ神話の世界のエロスが漂う。
ダヴィンチ(1452-1519年)もある。しかし、これらの絵は、ダヴィンチの師匠のアンドレア・デル・ヴェロッキオとの合作であると言われているようだ。
ダヴィンチは左側の天使を描いたと言われている。右側の天使より表情が豊かでタッチが繊細であるように見えた。
ラファエロもある。
なんともいいなあ。ボッティチェツリより官能的に見える。ティツィアーノはヴェネチア人だからなあ。
カラヴァッジョもある。
首から滴る血がなまなましい。さすが「サロメ」と「法悦のマグダラのマリア」のカラヴァッジョだなあ。
彫刻もたくさんある。
テラスで外を眺めてちょっと休憩。
次はピッティ宮殿に向かおう。
ヴェッキオ宮殿からピッティ宮殿に行くには、南に向かってヴェッキオ橋を通り徒歩10分ぐらい。
ヴェッキオ宮殿ーウフィツィ美術館―ピッティ宮殿は回廊(ヴァーザリの回廊)で繋がっていて、当時のメディチ家の人々は雨にぬれずに2つの宮殿の間を行き来できたということのようだ。
今の一般庶民は、ヴェッキオ橋では回廊の下側の道路を進んでいく。
さあ、ピッティ宮殿に着きました。
この宮殿の中に絵画を集めた「パラティーナ美術館」がある。その中でもラファエロ(1483-1520年)の部屋と言われる「サトゥルヌスの間」は素晴らしい。
ティツィアーノもある。
これはこの時代としては衝撃的なんじゃないだろうか。さすがのマグダラのマリア。ウフィツィの「ウルヴィーノのヴィーナス」もよかったけど。
ピッティ宮殿には、パラティーナ美術館の他に、近代美術館、銀器博物館、陶磁器博物館、衣装博物館、馬車博物館、ボーボリ庭園がある。
そこで見たもの含めていくつか写真を載せておく。
ボーボリ庭園に行きそびれたのがちょっと残念(次回は行くぞ)。
さて、絵画を堪能した後は夕食だ。
食べているのは、フィレンツェ風ステーキ(Bistecca alla Fiorentina :ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ)、Tボーンステーキです。
ワインは地元トスカーナのブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(サンジョベーゼ)。
買い物も楽しかった。町の中心のショッピング通りで、ボルサリーノとジノリのデミタスカップを買った。カップの図柄はフィレンツェ(昔のフィレンツェの風景)。
女子はテルミニ駅近くのサンタ・マリア・ノベッラ薬局(同名の教会のシスター達が運営している、ドラッグストア。石鹸と香水が有名)の石鹸は外せないそうだ。
下の2つがサンタ・マリア・ノベッラ薬局の石鹸。真ん中はウフィツィ美術館のお土産店で買ったもの(中身は石鹸)。上はマグネット。
右手前がジノリの「フィレンツェ」 。ヴェネチアで買ったヴェネチアングラスと空港でかったバローロと写真に納まった。
以上の工程が2泊3日(実働1.5日)。3日目の朝にローマに向かった。
フィレンツェはこじんまりしていてほぼ徒歩で回れる。
メディチ家の栄華は凄いの一言。銀行家として成功したようだけれど、MEDICALの語源はメディチだという話も聞いた。もともとは薬にも関係してんだな。
絵が宗教画を離れ、人間っぽい神話の世界に戻ってから、人間や社会の事象そのものを見たまま、描きたいように描くロマン主義、印象派に移っていくところをしっかりみたいな。
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