SoftBank World 2020 孫正義氏の基調講演(10/29/2020)のメモ。孫さんとNVIDIA Jen-Hsun Huangと対談も楽しめた。孫さんのAIに対する期待と信頼は揺るがない。

オンラインでSoftBank World 2020に参加した。とても刺激的な孫さんの基調講演を聴いたのでそのメモを残します。

孫さんの話は2部構成になっていました。

① NVIDA のCEOである Jen-Hsun(Jensen) HuangとのZOOMを使った対談(1時間、事前録画の再生)

② ソフトバンク・ビション・ファンドが投資している有望AI企業の紹介(1時間)

孫さんは東新橋のソフトバンクグループ本社の社長応接と思われる部屋のソファに座ってセータ姿。Jen-Hsun Huangは自宅なのか、暖炉(火は恐らくLEDライトの演出)の横のソファに座ってトレードマークの革ジャン姿。友人同士というくつろいだ雰囲気を演出して対談が始まった。

孫さんは、4年前(2016年)に、孫さんのカリフォルニアの自宅の庭で、Jensenと3,4時間食事をした時の会話が忘れられないとのこと。その時に2人の間でのAIの将来像は完全に一致したそうだ。孫さんはその時に、ARMを買収することを決心したと言っている。

孫さんがARMを3.3兆円の現金(3割借り入れ)での買収を発表したのは2016年の7月。2020年の9月14日にそのARMを最大4.3兆円(400億ドル)でNVIDIAに売却することを発表したが、そのうちの215億ドル相当分は、NVIDAの普通株式44,366,423株)で支払われる(この時のNVIDA 1株の評価額は484ドル:10/28の株価は505ドル)。

ソフトバンクグループ、英Armの米NVIDIAへの売却を発表 :日本経済新聞

この結果、ソフトバンクNVIDIA筆頭株主になるそうだ。(6億1800万株の内の4437万株を持つので、約7.2%の株を持つ大株主になる。NVIDIA時価総額は約33兆円)

ARMの売却話が出た時に、Jensenは最後に最高額で札を入れることを決めていたそうだ。

Jensenは今までのARM IPのライセンシーが不利になることはしないと言う。ARMの最大の価値はそのエコシステム(1300万人)とDistribution Power。そのエコシステムの中にNVIDIAのAIを浸透させていくことを進めたい。エッジの覇者であるARMをNVIDIAが手に入れた意義は大きい。

コンピュータは最初は単に高速で計算をする機械であったが、メモリーを持って記憶能力を持ち、それによって検索ができるようになった。そして、目(カメラ入力)や耳(マイク入力)を持って、自らデータを収取し、それが何であるかを認識できるようになった。そして今や話をすることもできる。こういった進化を経てコンピュータの使い方がどんどん変わっていく。と、孫さんは言う。

理解し、考え、CREATEすることにどんどんコンピュータ(AI)は使われていく。

最先端AIに関する2人の共通認識は、

コンピュータ(AI)がソフトウェア(プログラム)を書く時代がとうとうやってきたという事。

コンピュータは疲れ知らずで、どんなめんどくさいこともやりきるので、これは凄いことになる。

コンピュータプログラムが書ける人は地球上の全人口の0.5%しかいない。こういった人々が今まで成功と富を得てきたが、これからは、コンピュータがプログラムを書き、スキルが自動化されてくる時代が来る。

そういった時代に人間がやることはDreamとWishを持つこと。そしてそれをAIの支援を受けて実現すること。

今のAIの有効な使い方は 

1)Big DataとPrediction AIを相互的に使う事。

2)Massive Cloud AIとEdge AIを5Gでつないで連携させること

・銀行はいずれ一つのGiant AIに置き換えられることになるだろう。

・AMEXがAIを使って不正使用を検知しているのもAIの有効活用の例だ。

AIは人の命を救うことに大いに役だつ。

1)創薬:人類の危機は戦争というよりは生物攻撃(新ウイルス)によってもたらされる。新型ウイルスに対するワクチンの開発の迅速化をAIが支援する。

2)健康管理:AIによって心筋梗塞の発生を14日前に99%の確度で予測できるようになった。これで人は心筋梗塞で死ななくなる。癌の発生もAIで早期検知できるようになるだろう。

3)交通:AIによる自動運転の方が人の運転より安全であることは間もなく実証される。それによって交通事故死を大幅に減少させられる。

TAXIや配送カートをデジタルのレール(データとAIで管理された自動運転車の通路)の上を走らせることも行われるだろう。

こういったことの実現を目指している企業の紹介が②で行われた。それは別ブログにまとめることにしよう。