一万人の第九築地1クラスレッスンメモ(2019/10/11 15:00)

発声練習の後、Ihr stuert nieder から最後までを丁寧にさらう。休憩後、最初に戻ってIhr stuert nieder の前までをさらう。

前半は雑談一切なし。いい音楽を作るための真剣な指導。

自分はこう歌いたいという思いを持って歌う事。

【フーガに入る直前(主のお姿がほのかに見えた静かな感動を歌うところ)のueber Sternen muss er wohnen.】

バスとテノールが「ラ、ド#」でアルトとソプラノの「ミ、ソ」に遅れて入るところ、テノールのド#の音が低いと言われ、なんども繰り返す。

ここは ミーソの2重音から、ラード♯ーミーソの複雑な4和音(A7かな)になるところ。ド#が低いと(Am7)短調になる。テノールの音が長調感を出すために重要という事だろうか。セブンスコードで2重フーガに入る準備をするのか(私の感想)。

【2重フーガ】

テノールはSeid Umschlungenを高いラで入る厳しいところ。ここは事前に音を準備しておいて勇気をもって発声する。

「イ」の母音はあまり口を横に広げない。気管の幅とおなじ幅で口を開くと発声がスムーズになる。「オ」や「ウ」は口の奥に響かせる感じで歌う。

734からテノールだけで歌うAhnset du den Schoepfer, Welt?のところはまだ疑問が支配しているところだからクレシェンドしない。その後のSuch'からのクレシェンドを際立たせる。

744からみんなが大好きなブリューダー(オケがハイハイ)ブリューダ―のところは最初がsfで、二回目がff。その後の「主は天空にいらっしゃる」と確信を持って歌うところはpp。ppだからこそ、この静かな確信が伝わる。

【810からのpico adagio】

Menschen を>pで歌うこと。ソプラノはsanfterの装飾音部を丁寧に歌う練習。

【915から】

(ff)Tochter aus (p) Elysiumは Elysiumにやっと到達した喜びをff-pとpでしっかり歌う。

最後を力強く歌う練習(腹で歌う)。

【Kusseのパート】

各パートそれぞれがひとかたまりの音で聞こえて欲しいが、まだ、ひとりひとりの声で聞こえている。それを改善すべく、パートごとに丁寧にさらう。

【Seid Umschlungenのパート】

Millionenやder ganzen Welt!は上ずった浅い声にならないように。そのためには床に向かって(腹をしっかりさせて)歌う意識を持つと、太い男らしい声になる(納得です。私は高い音は頭の後ろに抜く感じで歌うので上ずることが多い)。

以上

 

 

 

 

 

すみだ5000人の第九レッスンメモ(2019/10/14 14:30 泉先生2回目)

大人気の泉智之先生の2回目のレッスン。

祝日という事もあって、雨にもかかわらず700人の会場が満席。数十人が立ち見でした。

フロイデからフーガの先、766のコーラスを歌いきるところまで。

歌詞を自分なりに理解して、その思いを込めた歌い方をすることで、はじめて観客に伝わる「音楽」になる。ということを主眼にした練習。そのために、歌詞の内容、音楽の構成の説明を聞いた後で、実際に歌う練習をした。

とはいっても、泉先生らしい楽しい練習。具体的には、Mの後の、男性だけがユニゾンで歌うSeid Umschlungenのところからの練習法が最高だった。

男性は、まずこのユニゾンの部分を、「Diesen Kuss der ganzen Welt」に愛しい女性に対する思いを込めて、Umschlungen(抱っこ)する気持ちを込めて歌う。つまり、女性を口説いていると思って歌う。

その気持ちが女性に通じると、今度は女性(ソプラノとアルト)がそれにSeid Umschlungenのコーラスで応えてくれる。男性はそれに対して一拍遅れてSeid Umschlungenをバスとテノールのコーラスで歌うが、それは応えてくれた女性を一歩後からエスコートする気持ちで歌う。

この後のsfで歌うDiesen Kussは、まずアルトが入り、次にソプラノとバスが入り、最後にテノールが入る。この音がずれて重なっていくところの気持ちをしっかり表現する。

このような、泉先生流の解説を聞いたあとで、テノールは全員右を向いて立ってソプラノに対面し、バスは全員左を向いてアルトに対面して、この対話の実演をする感じで歌う練習をした。女性陣は座って男性の思いを受け止めてコーラスを返す練習。

たまたま私はテノール席の右端に座っていたので、ソプラノに第一列で向き合って歌うことに。数百人の女性の観客に対して歌っているようで、とても気持が高揚した。全体としても柔らかい、いいコーラスになっていたような気がする。

「小難しいドイツ語の歌詞を、リズムと強弱だけでテクニカルに歌っても何も伝わらないよ。自分流のもので構わないので、歌詞と音楽に気持ちを込めて何かを伝える、ということして音楽を楽しもうよ」、ということを実践的に教われたのがとてもよかった。

今、譜面を見ていて気づいたが、Kussのところで4声がぴったり重なる。そして、ソプラノとバスが「シ」の同じ音。テノールが「レ♯」、アルトが「ファ♯」。うーん、これをなんと理解するか。

そして、コーラスを縦に見ると和音になっていて、各声部がその和音の中のどの音を歌っているかを見るのも楽しい。KussはB durの和音でルート音をソプラノとバスが歌っている。この後のganzen Welt!はC durーD durの和音を歌っているけれど、Weltはまたしてもルート音をソプラノとバスが歌っている。うーん、バスがソプラノに対面して歌う方がいいのかな?なんて思うのも楽しい。

余談だが、ワーグナーのトリスタンとイゾルテの第二楽章は、この手の解釈をするとすごいことになっているらしい。

それ以外の泉先生の解説は

Dのパート(最初のDeine Zauber)はMのところの第二テーマをユニゾンテノールは時々オクターブ)で歌っている。

E(Jaのパート)は歌詞は違うが、メロディーラインはDのパートと同じ。それをコーラスに変えて歌っている。

G(Kuesseのパート)はソプラノの八分音符の後ろだけのメロディーを抜き出すとそれはDのパートの変奏曲になっている。

つまり、Mの前に、第二テーマはユニゾンーコーラス―変奏曲と3回歌われている。これはテノールパートだけを歌っていては気づかないことでした。

音符は母音の発声と合わせる。子音は音符の前に準備しておく。という基本のおさらい。

einen Freund ge-prueft im Tod; Wollust ward dem Wrum ge-ge-benのところは音符の区切りでのリズム読みで歌っては意味が通じない。フロインドゲ になってはいけない。

einen Freund ge-| prueft im Tod; Wol |lust ward dem | Wrum ge-ge-ben

ではなく、

einen Freund |ge-prueft im Tod; |Wollust ward | dem Wrum ge-ge-ben

のようにつなげてに歌わないと意味が通じない。(テノールはここが一番難しいのです。)

フーガの直前の部分の音楽的解釈(泉先生流)

創造主を感じるか、世界中のみんなよ(Welt!) とffで歌った後、天空に主を探そう(ppで入ってff)となって一気に盛り上がる。そして、この後に、オケとコーラス全部の休符があるが、ここは天空に行く人の意志の最終確認をしている。そして、天空に主がいらっしやるに違いないとコーラス(天空に行く人)はffで盛り上がるが、その後のオケはまた疑問を呈している音を奏でる(いわゆる解決を求める減7のコード)。そして最後に、天空に主がいらっしやるに違いないとコーラスが今度はppで歌うのは、不安だからppで歌うのではなく、主のお姿がほのかに見えた静かな感動をppで歌っていると解釈する(オケの三連符の連打は尋常ならざるものを見たことの表現)。

その静かな感動を持って、神様に一番近づける2重フーガの技法で天空に向かう。

フーガの部分の解釈と詳細練習は次回(11/23 14:30 )です。必聴ですね。

ここからは私の感想です。

ピアノ伴奏の譜面を見ると、647はEdimのコード。650からの三連符のところはEdimのコードが右手の高い音程に昇華して、左手が現世の音であるA durのコードを重ねているように見える。これは天空(dim)と現世(dur)の量子的重ね合わせの多次元世界の音の表現だな(笑)。

減7(dim)のコードは音が4つで、どこまでも均一間隔で登っていく4次元の、高調波成分を無限に含み得る調和振動子です。この和音なら天空まで登れる。(大笑)

 

 

すみだ5000人の第九レッスンメモ(2019/10/9 14:30 発音指導あり)

横尾桂子先生の発声発音指導と大塚正仁先生の音楽指導が並行ですすむレッスンでした。

横尾先生のドイツ語発音が5000人の第九の標準なんだな、と理解。

大塚先生はバリトン。フロイデからMまで、特に前半を丁寧にさらいました。

【横尾先生のボイトレ】

右手を後ろから前に回しながら音階をレガートで歌い、背中の筋肉や体幹を使う発声の練習。

声の出し方はマヨネーズのチューブをゆっくり絞り出す感じ。

おなか(横隔膜)を安定的持ち上げながら、口から空気を10メータ―先のダーツの的に当てる意識で、息の流れをそこに届けるように発声すると遠くまで届く声になる。

口の中を開けてそこに声を響かせる。口を開ける大きさは崎陽軒のシュウマイサイズで。

ウムラウトは「ウ」をその崎陽軒のシュウマイの口で作って、「イ」や「エ」を発声する。

「イ」は口をあまり横に引かないで歌う。そうすると滑らかに歌える。

「W」は少しだけ下唇をかんでから唇の隙間から息を出す。「B」ははっきりした破裂音。werden Brueder のところはこの違いを出す。

息は鼻から吸うが、その時、鼻の前にある何かいい香りのものを鼻腔の奥の空間に吸い込んで味わうような気持ちで行う。その呼吸法のままでハミングの練習から、「ウー」の発声練習をして、口蓋の奥で響く発声法の練習。

【ドイツ語の発音】

言頭の子音をしっかり発音するとドイツ語らしくなる。語尾は軽く。そう考えると語尾のerがアーなのエルなのかがあまり差がなくなる。

Zauber ツアオバー ツアオ、ツの入りとオをしっかり発声する。

Shoener シエーネ とシを柔らかく美しく。 Seeleも同じ(ズエーレ)。どちらも大事な単語なのでその意味を考えて美しく歌う。

短母音と長母音をしっかり歌い分ける。とくに長母音を短く歌わないこと。Reben(レーベン)とか Gegeben(ゲゲーベン)とか。

【フロイデ】

デがだらっと下がらないように。音程を高め、発声は短めで終える。

【Dのパート】

Streng geteilt   シュトレンゲ タイルト と歌っては意味が通じない。 シュトレン ゲ タイルト と歌う。

【Jaのパート】

バスのJaの入りのfは強く。その1拍後に残りの3パートがかぶせて入るところはさらに大きいfできれいに重ねる(ここはみんながJaで合意するところだから)。

auch とauf の発音をしっかり区別する。

Und がタイで繋がっているとことを ウーントとしっかり伸ばして表現する。トもしっかり。

【Kuesseのパート】

またしてもテノールのWurm ge ge benの半音のずれを指摘された。(自分も当てはまる。練習CDの耳コピ暗譜の甘さの弊害だな。ピアノで音取して悪い癖を直そう。確かに、最初に歌った時はここが一番難しかった)

【vor Gottーカンニングブレス】

大友先生はめちゃ引っ張るのでカンニングブレスをしてつないでいい。カンニングブレスとは長音発声の途中で、息が切れる少し前に余裕を持ってそっとブレスして、音程が乱れないように注意して再発声すること。合唱団のそれぞれのメンバーがそれぞれ違う場所でそれをすれば、全体としては長音が保たれるのでOK。

【男性合唱】

最初のLaufetの「ラ」を音符と母音を合わせて発生する。そのために「ラ」の発声のために舌を歯の裏側に当てる準備は音符の前にやっておく。後ろの席の人はより早めにフライング気味で発声していい。(おお、精緻な合唱を求めらえているなあ。男性は少ないからなあ、女性の4分の1か5分の1ぐらいしかいない)

【Mのパート】

Elysium のlyはウムラウトの発音が正しい(プロでもできていない人がいると横尾先生のコメント)

【連絡事項】

事務局からは、参加者が5100人になって、国技館の席割に苦労しているとのこと。

台風一過の14日のレッスンはやる方向。

 

以上です。

 

 

 

1万人の第九築地1クラスレッスンメモ(2019/10/4 15:00)

きれいな音の空間を作る。そのために「歌う」、「ハーモニーを聞く」ことを主眼にしたレッスン。

【Dのパート】

子音をはっきり発音する。

語るように歌うことを意識する。

【Jaのパート】

前半はマルカート、後半はレガートを意識する。

weined sich aus diesem Bund. は文字通り悲しい感じで歌う。

【Kuesseのパート】

リズム読みのような歌い方ではダメ。情感を込めて歌う。

【男性合唱のパート】

424小節からのfreudig が3パートで重なってくるところ、3回目がsfである表現をしっかり歌う。この3小節で、バス⇒テノール1+2⇒全員 というように声部が重なり、音量が増えることを意識する。

肩を組んで左右に揺れるような2拍子の歌い方をしない。この行進は天空の理想郷のなかを進んでいることを意識してしっかり歌う(佐渡さん流の解釈でなく、譜面に忠実に歌う。)

【Nのパート】

619節の(f)は単に大きいだけでなく、広がりを持って歌う事。

631節の< >とその後のcres. のコーラスを丁寧に合わせる。

638節のffのWelt? は頭のヴェだけ強い歌い方はダメ。ヴェールトと太く、厚みが増していくような歌い方にする。

【フーガの後】

742節のSuch'のcres.からのコーラスのハーモニーの練習。

【SのDeine Zauberからの部分】

走り過ぎないこと。

810節からのpico adagioをしっかり歌う(ソプラノ主役、アルト控えめ)

914節からの最後のところをffで歌いきる練習。

以上

 

 

ロヴェッリ著「時間は存在しない」を読んでいろいろ考えたこと

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「ループ量子重力論」を提唱するイタリア人理論物理学者カルロ・ロヴェッリの書いた啓蒙書。

「量子重力の基本方程式は時間変数を含まず、変動する量の間のあり得る関係を指し示すことでこの世界を記述する。」だから時間は存在しない。

「ループ量子重力論は、ものごとが互いに対してどう変化するか、この世界の事柄が互いの関係においてどのよう生じるかを記述する。(ニュートン微分方程式のように)時間の進行に対してものごとが展開する様子を記述するものではない。」

「世界は”もの”でできているのではなく、”こと”ででできている。世界は相互に連結された出来事のネットである。そこに登場する変数は確率的な規則に忠実に従う。」

「空間の量子は空間的に近いという関係によって結び合わさり、スピンネットワークと呼ばれるネットになる。そしてこれらのネットは離散的なジャンプによって互いに転換し合う。」

がまず言いたいこと。

その後、その内容をもっと掘り下げた議論が展開されるかと思いきや、そうではなく、ではなぜ人間は時間を認識するのかの説明に紙幅が費やされる。

それは、「人間が一様で順序付けられた普遍的な時間について語る仕組みを持っているから」で、その仕組みは

1)我々の持っている特殊な視点では、エントロピーの増大を頼りとして時間の流れを認識するから(時間の方向性は視点がもたらす)。

2)人間の脳は過去の記憶を集め、それを使って絶えず未来を予測しようとする仕組みを持っているから。

 だという。

私なりにまとめてみると、

結局、宇宙の実体は、それ自体がどのような形で存在しているかの記述(ループ量子重力論の時間のない離散空間モデルとか、超弦理論の多次元モデルとか)とは別に、われわれが人間という視点でそれをとらえた時に(人間の大きさは、量子力学が問題になるほど小さくはなく、相対論が問題になるほど大きくはないので)三次元の時空として(十分な近似精度でもって)観測され、脳によって時間という順序を持って認識、記憶される。という事だと思う。

このまとめを私なりに展開してみると、やっぱり我流の「ホログラフィック原理」に行きつく。

宇宙の実体はホログラフィーのような干渉縞でできている。それに我々の視点である三次元の時空という認識の枠をレファレンス光として与える(観測する)と、我々がいると思っている三次元の時空がオブジェクト光として発現される。その同じホログラフィーを2次元の視点を持つレファレンス光で観測すると重力場のない空間が発生する。そのことをAdS/CFT Correspondenceと呼んでいる。

量子力学観測問題とは「この宇宙の実体であるホログラフィーに、どういった認識の枠を持つレファレンス観測光をあてるかということ」に思える。

ループ量子重力論も、超弦理論もこのホログラフィーの干渉縞をモデル化しているものであって、われわれが認識している世界を記述しているわけではない。そのホログラフィーそのものを実験で確かめようとしても、レファレンス光という実験条件に対してのオブジェクト光という形でしか観測できない。

宇宙の実体としてのホログラフィーはそのままでは観測不能な、我々の世界の上位概念を記述する形式である。

マルチバースとはこのホログラフィーのこと。その中には我々が過ごしてきた世界と違う世界があると考えても不思議はない。ただし、その別の世界に移動したり、その世界からの信号を受け取れるかどうかはわからない。

量子コンピュータはこのホログラフィーの中で(波動関数を干渉させて干渉縞を作ることが量子計算の意味)我々の世界で設定した条件に対して適切な確率分布をもった波動関数を示し、それを我々が観測することで何かを知るものであると思える。

スピリチュアルであるとは、このホログラフィーを通常の人とちょっと違うレファレンス光で観測することをいう。

「宇宙の実体は干渉縞である。それにどういうレファレンス光を当てるかでその認識主体に対する世界が発現する。量子重力理論はその干渉縞のモデルを記述すること。実験物理とは、超高エネルギー状態などの極端なレファレンス光でもって、オブジェクト光を発現させて、それを三次元の時空で観測して、干渉縞の実体の一部を見ようとすること。」

物理学とAI(Deep Learning/CNN)の類似性をいう物理学者もいる。わかるような気がする。入力対象は宇宙の干渉縞で、「観測する=オブジェクト光を当てる」とは、宇宙の干渉縞という入力にCNNのフィルターあてること。それで出てくる出力=ラベルが我々の認識する世界。

そう考えると、われわれの認識の形式がCNNのフィルターとして記述できることになる。その記述こそが物理だという人もいるでしょう(それが通常の量子力学や相対論の記述)。実験結果というラベルから宇宙の干渉縞の実体(CNNへの入力)に迫ろうという実験物理は、まさにCNNをバックプロパゲーションで決めるAIそのもの。

こういう視点で世界をとらえると、存在論とか認識論とか言っている哲学の意味が分からなくなる。

哲学=形而上学=メタフィジックスを語る人は、実験を説明するだけの物理(フィジックス)を哲学の下に置きたがる。しかし、私には、メタフィジックスとは人間の認識する世界の上位概念である宇宙の干渉縞(ホログラフィー)を記述する量子重力論のようなものを指すものに思える。

この本がきっかけで、なんだか最近妄想していることがすっきり書けたような気がする。

その意味では読んでよかった。でもこの本は、よくある科学史哲学史、宗教史の記述が結構多く、翻訳本という事もあって、何度か読み返さないと、本質的な文脈をとらえにくいところが少しあるかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1万人の第九築地1クラスレッスンメモ(2019/9/27 15:00)

下村郁哉先生の築地1の第2回目のレッスン。

1回目は諸般の事情で欠席したので、本番参加のためにはこれから5回全部出席しないといけない。

経験者クラスなので音取りなしで、部分ごとにまず合唱して、改善点を指摘されてそれができるように声部パートごとに練習する。

【フロイデ】

フーローイデ。みたいな感じでローを低い方からしっかり歌う。ロが短いのはダメ。

【Dのパート】

まずは、レガートで表現豊かに歌う。それができてから佐渡さん流のタッタッと歯切れ良いういたい方にする。最初からブツキレの歌い方をしてはいけない。

テノールはオクターブ飛ぶところがブツブツしやすいので、まずは、オクターブ飛ばないでメロディーラインをレガートで歌う練習をした。

Bruederに向かってもり上げていくところで、Menchenとwerdenの語尾の音程が下がらないように。

【E  Jaのパート】

どのレッスンでも言われる nie gekonnt, der stehle のsf-dimの注意。

【G Kuesseのパート】

前半の発語の難しいところではなく、後半の und der Cherubからを丹念にさらう。

音楽とは空間をつくる事、われわれが空間を楽しんで歌うと、それが観客に伝わる。

Undのところでは、コーラスでレーファ♯ーラの D durのコードを歌っている。

この2分音符が続くところはそれぞれのコードがきれいに響いた空間を作るようにする。そのためには他のパートの音をよく聞くこと。

【男性合唱】

テノールIIはいい感じ。テノールI(私)はテノールIIのようにもっとレガートで歌うようにと言われてしまった。特にLaufet の後の、Brueder eure Bahnのところ。freudigなど最初の音は付点あり、あとは付点なしの休符付きであるところをしっかり区別して歌うこと。

zumをツーウムとしっかり発音する(よく指摘されるところ)。

【Mからフーガの前まで】

結構楽しく合唱した。経験者クラスだなあと思う。空間を楽しむように。

Ihr stuerztの<>の練習。

【フーガ】

一気に歌う。テノールはラの入りの音程が厳しいところ。声量も大きくはないが、厳しいダメだしはない。

私はまだ耳コピ暗譜の勢いで歌っているところが多い。1万人はいいとしても250人サントリーホールはそれではダメだろうから、しっかり譜読みレベルで自習しよう。dein Hei--ligtum から後の息継ぎの場所も決めておかないと息が続かないところがあるし。

【Rのパート】

6拍子で歌う。2拍子になってはいけない。(頭の中で6つ数えるような歌い方をする)。

Ah-nestは 2休休休1の6拍子で歌う。(nestの出が速すぎるのを直す)

【Sから最後まで】

一気に歌う。ソプラノ、アルトの大合唱を聴きながら歌うと練習でも感動ものです。

【まとめ】

レガート系の(腹から出す)深い声で、しっかり歌を歌う。他のパートをよく聴いて、美しい音の空間(ハーモニー)を作り出す。

美しい音楽を作ることに主眼を置いた、いいレッスンでした。

フーガの甘いところを復習しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

すみだ5000人の第九レッスンメモ(泉先生、2019/9/18 14:30)

今日は人気絶頂、特に女性ファンの多い泉智之先生のレッスン。

祝日にスター講師の登場という事で、700人収容のすみだリバーサイドホールが立ち見が出るほどの大盛況。

私は発顔合わせなんですが、さわやかなイケメン。ソプラノ声域がファルセットでそのままでる広い音域と美声。音色の作り方が多彩で、美声での模範発声の後にわざとやる下手な歌い方が絶妙。

例えば、口を大きく開けてその奥で声を響かせて上に抜く歌い方の模範を示してから、だんだん声を前にもってきてガチョウの声で「アフラック!」。振りも楽しくて、もう大爆笑。コメディアンばりのキレのいい話術と合わさって、笑いが絶えることがない楽しいレッスン。かなりの女性メンバーが、歌えるスターコメディアン、泉先生目当てで笑うためにきてるんじゃないかと思えるくらい。登場するだけで笑いが起きるのはもう合唱講師のレベルを超えている。

さてレッスンのメモです。

発声前の準備運動は、表情筋や舌や顎の筋肉も動かし、顎の下を指で押して唾液を出すようなことまで細かくやりました。

丹田をアタックする腹式呼吸の基本を確認しながら発声。体を斜めにして脇腹に空気を入れる腹式呼吸の感覚をつかむ練習。音階発声はテノールとソプラノは結構高い領域まで行ったな。低い方もしっかり。全然出ない低いところまでやったのは初めて。

歌唱練習はフロイデからキッセまで。

【フロイデ】

楽しい響きで歌う。最後は口を閉じないように。口角をあげて笑顔で歌う。

【Dのパート】

wider, was, werdenなどの W(ブ)の音は、下唇をかまずに閉じておいてそこから空気を通すことで音を出す。BruederのBは破裂音なのでそれと区別する。(Wは下唇をかまないと言われたのはちょっと戸惑ったなあ。40年以上間違えていたのだろうか)

【Eのパート】

niegekonnt, der stehle のsf-dimの練習

【G:Kuesseのパート】

テノールとソプラノは1オクターブ下げて、音符をララで歌う練習。

ここで自分の甘さが判明した。ここは音符に言葉をはめるのがとても難しいところ。焦って、練習CDを耳コピして何とか歌えるようにしてしまったので、一個一個の音符の音程が甘い。なので、細かくゆっくり音符をララで歌うと、一個一個の八分音符の半音の精度が出ていないことが露呈する。そして、ララではうまく歌えないことが分かった。つまり、自分は歌詞を暗唱した力業で歌っていることが分かった(こういうところにアマチュアっぽさが出るんだあ)。反省。

ピアノで音取してしっかり精度のある音程で歌えるようにしよう。高いソも連発する高音域なので、1オクターブ下げてそういった言い訳をなくしてしっかり音取りする練習はとてもよかった。ソプラノも同じ練習をした。

それから、歌詞をリズム読みでなく、演説のように続けて流暢に速く読む練習をした(ここは歌詞の意味も発音も難しいんだよね)。こういう練習をして表現力をつけるとのこと。

それから、Kuesseの部分は八分音符2つがつながって並んでいるが、(ソプラノの)後の音だけを取って並べると、最初のテーマの変奏曲になっているとの説明に納得。こういったベートーベンの細かく、しつこい曲作りに気づかせてもらえるのも楽しい。

【Mからフーガの前まで】

1回だけ気持ちよく合唱して時間切れ。

次回の泉先生は10月14日(祝)。満席になるだろうから30分前に行こう。